外壁塗料の種類を比較!一覧で見る耐用年数と施工価格
さて今回は、外壁塗装の主な塗料のメンテナンス周期・リフォーム費用のリスト表です。
それぞれの特徴については後述しますが、外壁塗料を選ぶ際には、以下を参考にしてみてください。
塗料 耐用年数 施工価格(㎡)
アクリル 3〜8年 1,000〜1,800円/㎡
ウレタン 5〜10年 1,700〜2,500円/㎡
シリコン 7〜15年 2,300〜3,500円/㎡
フッ素 12〜20年 3,500〜4,800円/㎡
ラジカル 8〜16年 2,200〜4,000円/㎡
セラミック(断熱/遮熱) 10〜25年 2,300〜4,500円/㎡
または 5,000〜14,000円/㎡ (※天然石調にする場合)
光触媒 10〜20年 3,800~5,500円/㎡
無機 10〜25年 3,500〜5,500円/㎡
ナノテク 10〜15年 2,400〜5,500円/㎡
Contents
知っておくと安心!塗料の分類・違いについて
それぞれの塗料のメリット・デメリットの話をする前に、まずは塗料の構成や分類について解説しておきましょう。
知っておくと安心!塗料の分類・違いについて
塗料の材料には、以下の4つが使われています。
①顔料
カラー付けに使われる。
(サイディングなどを透明な色で塗装したい時に用いられる「クリヤー(クリアー)塗料」には、顔料は入っていない。)
②合成樹脂
塗料の耐久性を左右する。「シリコン」「フッ素」など。
③希釈剤(水性/油性)
顔料や合成樹脂を溶かして塗りやすくする、「水」「シンナー」などの薄め液。
④添加剤
特別な機能を付加する。防腐剤、乾燥剤、艶(つや)を加減する「艶消し材(艶調整材)」、密着性を上げる「湿潤剤」、粘度を上げる「タレ止め剤」など。
好みの塗料を選ぶためには、この内の「合成樹脂」や「水性/油性」の違いについて理解しておくと安心です。
【合成樹脂(アクリル/ウレタン/シリコン/フッ素)の違い】
「合成樹脂」は、塗料選びの際のキーポイントになります。
塗料の耐用年数・グレードを最も左右します。
合成樹脂には4種類あり、アクリル<ウレタン<シリコン<フッ素の順で耐久性が高くなります。
「シリコン塗料が良いらしい」「フッ素塗料は長年持つけど、高額」といった噂を聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、これはまさに、合成樹脂によって劣化のしにくさが異なることを表しています。
【最近話題の「ハイブリッド塗料」とは?】
高機能な外壁塗料に「ハイブリッド塗料」というものがあります。
ハイブリッドとは、性質の異なる複数の成分を混合・組み合わせることを意味します。
今回ご紹介する「ラジカル塗料」や「セラミック塗料」といった塗料は、シリコンなどの合成樹脂と、特有の成分を混合(ハイブリッド)して作られています。
例えば、シリコン樹脂と、セラミックという素材、それぞれの良さを活かした「シリコン+セラミックを混合したハイブリッド塗料」などがあります。
さらに、このような塗料はすべて「水性/油性」「1液型/2液型」に分けることができます。
【「水性塗料」と「油性(溶剤・弱溶剤)塗料」】
水性塗料と油性塗料は、塗装時に使用する「希釈剤(薄め液)」が異なります。
水性塗料には水が、油性塗料にはシンナーなどの有機溶剤が用いられます。
長い間、油性のほうが耐久力があるとされ、外壁には「油性(溶剤)塗料」が採用され続けてきました。
しかし、シンナーの強い臭いや、引火性、環境への影響を懸念する方もいらっしゃるでしょう。
そこで最近は、環境に優しい「水性塗料」や、弱いシンナーを活用して臭いや刺激を抑えた「弱溶剤」という種類の油性塗料の開発が進んでいます。
現在は「水性塗料」「油性(溶剤・弱溶剤)塗料」ともに、長寿命で外装に利用しやすい商品が増えています。
【「1液型」と「2液型」】
そして水性塗料と油性塗料には、それぞれ「1液型」と「2液型」と、2タイプあります。
(ただし流通している水性塗料のほとんどは、1液型の製品です。)
「1液型」のほうが施工しやすいという特徴があり、一方「2液型」は取り扱いが難しく対応できる業者が限られていますが、1液型よりも質が高く、塗れる素材も幅広いという魅力があります。
同じ油性のシリコン塗料であっても、1液型より2液型のほうが塗装箇所を選ばない上、長持ちしやすいというわけですね。
>> 塗料の”1液型”と”2液型”の違い・メリットとデメリットとは?
1液型の塗料であっても耐久力がある製品は多いですが、もしも不安な点があればリフォーム会社に確認してみると良いでしょう。
知っておくと安心!塗料の分類・違いについて
【艶(つや)の有無について】
外壁塗料は、艶(つや)の有無をある程度なら選ぶことができ、艶のパターンは「艶消し(マット)/3分艶/5分艶(半艶)/7分艶/艶あり(光沢度が7分以上)」の5種類があります。
ところで、「艶があるほうが、長持ちする」という説を聞いたことはあるでしょうか。
販売されている製品の多くは、元々は光沢度が70%以上ある、「艶あり」塗料です。
その中に、添加剤の一種である「艶消し材(艶調整材)」を混ぜることで光沢を抑えられるのですが、艶消し材を入れない場合と比べると、塗料の耐性が微妙に落ちてしまう傾向があるのです。
ただし、最初から「艶消し」塗料として製造されている水性塗料も多くあり、この場合は耐久性が落ちる不安はありませんが、艶を追加することはできないため、必然的に光沢がないデザインになります。
艶がある仕上がりにしたいかどうか、あらかじめイメージしておくと良いでしょう。