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水性塗料と油性塗料はどちらがおすすめ?

 2020/10/10 オススメ 塗装工事メモ   601 Views

沖縄でもかなり前までは、塗膜の耐久性に大きな差があった「油性塗料」と「水性塗料」。しかし最近では、油性塗料に引けを取らない水性塗料も数多く開発されており、塗装業者でも積極的に水性塗料を採用しています。では、そんな水性塗料を外壁塗装に利用することはできるのでしょうか?水性という性質上、雨に濡れると溶けてしまいそうな気もしますよね。今回は、水性塗料に関する様々な疑問や、油性塗料との違い、さらに信頼できる業者の選び方などについてもご紹介します。

 

水性塗料とは?油性塗料との違い、価格の差は?

外装用・内装用問わず、塗料は「水性」と「油性」の2タイプに分けることができます。
まずは、水性塗料と油性塗料とでは、どのような違いがあるのかをご説明しましょう。

水性塗料と油性塗料はどちらがおすすめ?価格の差、メリット・デメリットは?
そもそも塗料の原料には、「顔料」「合成樹脂(シリコンやフッ素など)」「添加物」といった固体が使われますが、このままでは外壁や屋根に塗ることはできないため、液体である「希釈剤(薄め液)」で溶かし、塗りやすい状態に加工する必要があります。

希釈剤で薄めた塗料を塗って乾燥させ、蒸発させることにより、顔料で着色し、さらに合成樹脂の力で壁などを保護する効果を発揮できます。

 

そしてこの希釈剤には、水性塗料の場合は「水」が、油性塗料の場合は「シンナーなどの有機溶剤」が用いられます。
つまり水性と油性の一番の違いは、希釈剤に水かシンナーのどちらが使われているか、という点にあるのです。

水性塗料と油性塗料はどちらがおすすめ?価格の差、メリット・デメリットは?
水性塗料の品質が向上するまでは、油性塗料の耐久性のほうが圧倒的に高く、その分価格が高額であることも両者の大きな違いの一つでした。

しかし最近は、外装用の水性塗料の開発が進み、高耐久の商品が増えてきています。
そのため現在の水性塗料のグレードは、油性塗料と比べてほぼ遜色なく、価格帯にもほとんど差はありません。

以下からは、水性塗料と油性塗料の具体的なメリット・デメリットについて、比較してみます。

 

水性塗料のメリット

水性塗料は希釈剤に水を使用しているため、シンナーのように強い臭いがないのが最大の魅力で、リフォーム工事中に気分が悪くなってしまう不安が少ないです。
また、シックハウス症候群や大気汚染の一因とされる「VOC(揮発性有機化合物)」の排出が少ないことから、環境に優しい塗料としても高く評価されています。

さらに、油性塗料のようにシンナーを含んでいないということは、引火する危険性が低く、管理場所や施工場所などでの火事の心配が少ないということでもあります。
そのような理由から、施工業者にとっても扱いやすいという大きなメリットがあるわけです。

水性塗料と油性塗料はどちらがおすすめ?価格の差、メリット・デメリットは?
また塗料の種類には、缶を開封後そのままで使える「1液型」と、主剤と硬化剤を混ぜて使用する「2液型」とがあります。

一般的に「2液型」の塗料は、知識も技術もある人でなければ上手に混ぜ合わせることが難しく、扱える業者が限られています。
一方、「1液型」は施工の簡易性のために開発された塗料であるため、対応できる業者を探しやすいという利点があります。

水性塗料の人気製品には「1液型」タイプが多くそろっているので、施工可能なリフォーム業者が多いでしょう。

 

水性塗料のデメリット

水性塗料に含まれる水分は、一定の温度に達しないとしっかり乾燥しない(固まらない)ことがあるため、気温が低い時期は工期が長くなってしまう可能性があります。
なるべく暖かく晴れている日が多い時期を選んで塗装リフォームをしたほうが良いでしょう。

また水性塗料は、窯業系サイディングやモルタルなどの素材にはよく馴染みますが、アルミやステンレスといった金属部分には密着しにくい性質があるため、屋根の下塗りや、雨樋・破風板・軒天井などの塗装には向かないケースがあります。
ただしこのような場合には、下地をサンドペーパーで磨く、油性塗料で下塗りをする、といった方法で対処できることもあるので、まずは知識や経験のある業者に相談してみましょう。

 

水性塗料は、雨に濡れても溶けないのか

 

水性と聞くと水に溶けてしまいそうなイメージがありますが、しっかり乾燥して水分が蒸発・塗膜が硬化すれば、雨などで濡れても流れ落ちる心配はありません。

ただし、乾燥が完了するまでは水に弱いという難点があるため、天気の良い日を選んで施工する必要があります。
この点も、業者の管理の仕方や技術が大きく影響すると言えます。

なお最近では、多少濡れても問題のない塗料の開発もされつつあり、特に関西ペイント社が販売している『アレスダイナミックフィラー』は、雨の中でも施工できるという世界初の水性塗料として注目されています。

油性塗料のメリット

 

油性塗料に含まれるシンナーなどの有機溶剤には、耐久性の高い塗膜を作る力があります。
水性塗料の品質が向上するまでは、外壁や屋根の塗装に油性塗料を利用するのが一般的であったことから、安定した耐久力があると言えるでしょう。

環境に左右されにくく乾燥が早いことや、密着性が高いため素材を選ばずに塗装できることも大きな魅力の一つです。
金属などへの塗装が可能であったり、下地塗りをしないで済むこともあったりと、水性塗料で対応できない箇所のリフォームに大いに役立ちます。

 

油性塗料のデメリット

 

水性塗料と油性塗料はどちらがおすすめ?価格の差、メリット・デメリットは?
油性塗料が敬遠される一番の要因は、何と言っても有機溶剤として使用されるシンナーの臭いでしょう。
溶剤は、健康や環境に被害を及ぼす「VOC(揮発性有機化合物)」を排出するため、施工する際は近隣への配慮も必要とします。

また、シンナーは引火性が高いという性質上、保管場所や管理の仕方に十分注意しなければなりません。
そのため、業者がきちんと取り扱わないと、火事に対する不安などが残ります。

 

なお、最近では弱いシンナーでも溶かせる「弱溶剤」と呼ばれるタイプの塗料も開発されています。
従来の溶剤塗料よりも臭い・刺激が少なく、人体や環境への影響が少ないため、水性塗料を適用できない箇所のリフォームでも推奨されつつあります。

塗料の耐久性・価格は「合成樹脂の種類」によって変わる
先述した通り、塗料は主に「顔料・合成樹脂・添加剤」で構成されており、この内の主成分である「合成樹脂」が、耐久性を持たせる役割を担っています。

合成樹脂は主に4種類あり、アクリル<ウレタン<シリコン<フッ素の順に耐久性や価格が高くなります。
塗料の耐久力を比較する際には、水性か油性かということよりも、合成樹脂の種類を参考に選ぶと良いでしょう。

 

「1液型」か「2液型」かでも耐久力に差がある

 

 

また、塗料にはそのまま使用する「1液型」と、使用時に硬化剤を混ぜる「2液型」とがあります。
2液型のほうが、手間がかかり対応できる業者が限定される一方で、密着力が非常に高く、耐久性も良いという特徴があります。

ただし2液型が多いのは「油性塗料」です。
2液型の「水性塗料」を検討したい場合には、商品の選択肢が限られてしまうことも念頭に置いておきましょう。

 

「水性と油性どちらが良いか」は、塗装業者とも相談を

 

水性塗料にも油性塗料にも、それぞれメリットとデメリットがあります。

臭いが気にならず、環境に配慮した製品を採用したいのであれば、水性塗料、もしくは弱溶剤タイプの油性塗料がおすすめですが、どのような塗料が適しているかは塗る箇所によっても異なります。
製品の耐久性やデザイン性、リフォーム箇所への適正度などもしっかり考慮して「外壁は水性、雨樋と軒天井は油性」など塗り分けてみるのも良いでしょう。

さらに業者によって、推薦するメーカー品もさまざまです。
予算や今後のメンテナンスなどについても含め、まずは塗装経験が豊富なリフォーム業者に相談して、じっくり塗料を選んでみましょう。

できれば複数の業者に見積もりを依頼してプラン内容を確認し、相性が良さそうなスタッフがいる会社や、この先塗り直しが必要になった際にも任せられそうな業者に、工事を依頼すると確実です。