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外壁塗料の選び方で耐用年数が変わる

 2020/08/05 塗装工事メモ   295 Views

暑い日が続きますね。沖縄は特に日差しが強く湿気も多い。南国特有の気候ですよね。
そんな沖縄で外壁塗装に関する塗料の選び方をお伝えしたいと思います。

外壁の塗料の素材や性能は実に様々ですが、耐久性の良いものを選ばないと、すぐに塗り替えや補修が必要になってしまいます。

特にモルタルの外壁で最も起こりやすいトラブルである「ひび割れ(クラック)」は、早めに対処しないと雨水を溜め込んでしまい、下地を傷める原因になります。
また住宅の外壁で最も主流なサイディングなら、サビの発生や、塗膜の劣化によって白い粉が現れる「チョーキング現象」などが起こります。

初めて外壁塗装をする方にもわかる【塗料9種類の特徴・価格の比較まとめ】
ひび割れやチョーキングなどの補修時には、必ず外壁の塗り替えが行われます。
セメントモルタルの他、鉄・アルミ・木材・コンクリートなどの外壁は、塗料で皮膜を作ることにより、腐食や劣化を防いでいるのです。

日々風雨にさらされてしまう外壁は、家の中を守ってくれる重要な部位です。
大切な建物を保持するためにも、適した塗料の選び方について、チェックしておきましょう。

外壁塗料の種類の比較一覧(耐用年数/施工価格)
こちらは、外壁塗装の主な塗料のメンテナンス周期・リフォーム費用の比較表です。

それぞれの特徴については後述しますが、外壁塗料を選ぶ際には、以下を参考にしてみてください。

塗料 耐用年数 施工価格(㎡)
アクリル 3〜8年 1,000〜1,800円/㎡
ウレタン 5〜10年 1,700〜2,500円/㎡
シリコン 7〜15年 2,300〜3,500円/㎡
フッ素 12〜20年 3,500〜4,800円/㎡
ラジカル 8〜16年 2,200〜4,000円/㎡
セラミック
(断熱/遮熱) 10〜25年 2,300〜4,500円/㎡
または
5,000〜14,000円/㎡
(※天然石調にする場合)
光触媒 10〜20年 3,800~5,500円/㎡
無機 10〜25年 3,500〜5,500円/㎡
ナノテク 10〜15年 2,400〜5,500円/㎡
知っておくと安心!塗料の分類・違いについて
それぞれの塗料のメリット・デメリットの話をする前に、まずは塗料の構成や分類について解説しておきましょう。

知っておくと安心!塗料の分類・違いについて
塗料の材料には、以下の4つが使われています。

①顔料
カラー付けに使われる。
(サイディングなどを透明な色で塗装したい時に用いられる「クリヤー(クリアー)塗料」には、顔料は入っていない。)
②合成樹脂
塗料の耐久性を左右する。「シリコン」「フッ素」など。
③希釈剤(水性/油性)
顔料や合成樹脂を溶かして塗りやすくする、「水」「シンナー」などの薄め液。
④添加剤
特別な機能を付加する。
防腐剤、乾燥剤、艶(つや)を加減する「艶消し材(艶調整材)」、密着性を上げる「湿潤剤」、粘度を上げる「タレ止め剤」など。
好みの塗料を選ぶためには、この内の「合成樹脂」や「水性/油性」の違いについて理解しておくと安心です。

【合成樹脂(アクリル/ウレタン/シリコン/フッ素)の違い】
「合成樹脂」は、塗料選びの際のキーポイントになります。
塗料の耐用年数・グレードを最も左右します。

合成樹脂には4種類あり、アクリル<ウレタン<シリコン<フッ素の順で耐久性が高くなります。

「シリコン塗料が良いらしい」「フッ素塗料は長年持つけど、高額」といった噂を聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、これはまさに、合成樹脂によって劣化のしにくさが異なることを表しています。

【最近話題の「ハイブリッド塗料」とは?】
高機能な外壁塗料に「ハイブリッド塗料」というものがあります。
ハイブリッドとは、性質の異なる複数の成分を混合・組み合わせることを意味します。

今回ご紹介する「ラジカル塗料」や「セラミック塗料」といった塗料は、シリコンなどの合成樹脂と、特有の成分を混合(ハイブリッド)して作られています。

例えば、シリコン樹脂と、セラミックという素材、それぞれの良さを活かした「シリコン+セラミックを混合したハイブリッド塗料」などがあります。

さらに、このような塗料はすべて「水性/油性」「1液型/2液型」に分けることができます。

知っておくと安心!塗料の分類・違いについて
【「水性塗料」と「油性(溶剤・弱溶剤)塗料」】
水性塗料と油性塗料は、塗装時に使用する「希釈剤(薄め液)」が異なります。
水性塗料には水が、油性塗料にはシンナーなどの有機溶剤が用いられます。

長い間、油性のほうが耐久力があるとされ、外壁には「油性(溶剤)塗料」が採用され続けてきました。
しかし、シンナーの強い臭いや、引火性、環境への影響を懸念する方もいらっしゃるでしょう。

そこで最近は、環境に優しい「水性塗料」や、弱いシンナーを活用して臭いや刺激を抑えた「弱溶剤」という種類の油性塗料の開発が進んでいます。
現在は「水性塗料」「油性(溶剤・弱溶剤)塗料」ともに、長寿命で外装に利用しやすい商品が増えています。

>> 水性塗料と油性塗料の違いって?どちらがおすすめ?

【「1液型」と「2液型」】
そして水性塗料と油性塗料には、それぞれ「1液型」と「2液型」と、2タイプあります。
(ただし流通している水性塗料のほとんどは、1液型の製品です。)

「1液型」のほうが施工しやすいという特徴があり、一方「2液型」は取り扱いが難しく対応できる業者が限られていますが、1液型よりも質が高く、塗れる素材も幅広いという魅力があります。
同じ油性のシリコン塗料であっても、1液型より2液型のほうが塗装箇所を選ばない上、長持ちしやすいというわけですね。

>> 塗料の”1液型”と”2液型”の違い・メリットとデメリットとは?

1液型の塗料であっても耐久力がある製品は多いですが、もしも不安な点があればリフォーム会社に確認してみると良いでしょう。

知っておくと安心!塗料の分類・違いについて
【艶(つや)の有無について】
外壁塗料は、艶(つや)の有無をある程度なら選ぶことができ、艶のパターンは「艶消し(マット)/3分艶/5分艶(半艶)/7分艶/艶あり(光沢度が7分以上)」の5種類があります。

ところで、「艶があるほうが、長持ちする」という説を聞いたことはあるでしょうか。

販売されている製品の多くは、元々は光沢度が70%以上ある、「艶あり」塗料です。
その中に、添加剤の一種である「艶消し材(艶調整材)」を混ぜることで光沢を抑えられるのですが、艶消し材を入れない場合と比べると、塗料の耐性が微妙に落ちてしまう傾向があるのです。

ただし、最初から「艶消し」塗料として製造されている水性塗料も多くあり、この場合は耐久性が落ちる不安はありませんが、艶を追加することはできないため、必然的に光沢がないデザインになります。

艶がある仕上がりにしたいかどうか、あらかじめイメージしておくと良いでしょう。